リモートアクセスやオンラインゲームで必要なグローバルIPアドレス。WiMAXではWiMAX2+サービスに限り、オプションとしてグローバルIPアドレスを使用可能できます。
WiMAX2+サービスでは、一般的なインターネットプロバイダと同様、WiMAXプロバイダ各社が有料オプションサービスとしてグローバルIPアドレスを提供中です。
このページではWiMAXのグローバルIPアドレスオプションの概要やグローバルIPアドレスが必要なシーン、利用可能なプロバイダと料金・ルーター端末の設定方法、固定IPとの違いを解説します。
コンテンツ
WiMAXにおけるグローバルIPアドレスとは?
WiMAXに限らずインターネット通信を行う端末にはIPアドレス割り当てられます。IPアドレスは外部ネットワークから認識可能なグローバルIPアドレスと、内部管理用のプライベートIPアドレスの2種類があります。まずはIPアドレスとは何か、2種類のIPアドレスの違いを説明します。
インターネットにおけるIPアドレスの役割
IPアドレスとはインターネット通信に必ず必要な情報で、スマホや携帯電話、パソコンなどインターネット通信を行う機器の「住所」。この住所のおかげでIT機器とサーバーが通信できるのです。
例えばWEBサイトを閲覧する際、「このページを見せて!」という要求がWEBサイトのサーバーに送られます。サーバーは要求に対してページの情報を送り返しますが、その時に必要なのがIPアドレスの住所情報。IPアドレスがなければサーバーはどこにページ内容を送り返すか判断できず、私たちはWEBページを閲覧できません。
IPアドレスは有限、通信機器が増えると枯渇
このようにIPアドレスは、インターネット通信を行うすべての通信機器に必要な情報です。またIPアドレスは、以下の形式で管理することがインターネット通信の決まりごとです。
※XXXには0~255までの数字が入る
0~255までの数字の4セットで構成され、この形式で理論上43億通りのIPアドレスを設定でき、インターネット誕生当初は十分と考えられました。一方、IT技術の進化に伴って地球上に43億以上のインターネット通信機器が生まれつつあり、このままではIPアドレスが不足、枯渇するのです。
WiMAXを含めて多くのプロバイダが利用者に固定でなく動的に割り当て
IPアドレスが枯渇する問題に対して考え出されたのが、内部用の(プライベート)IPアドレスを動的に割り当てる仕組み。決められたIPアドレスを固定で割り当てず、利用者がプロバイダに接続する度に内部用のIPアドレスを割り当てる仕組みで、利用者側は接続の度にアドレスが変わり「変動(動的)」とも呼ばれるIPアドレスです。
この場合、外部サーバーなどとの通信にはプロバイダ保有のグローバルIPアドレスが使用され、利用者の通信機器に割り振られる動的IPアドレスはあくまでプロバイダ内部で使用するもの。このため、グローバルIPに対してプライベートIPアドレスとも呼ばれます。
WiMAXも以前はグローバルIPアドレスだったが、今はプライベートIP
2015年までWiMAXの通信サービスに接続する機器にはグローバルアドレスが割り振られていました。現在は上記の仕組みで変動する(動的な)プライベートIPアドレスがWiMAXのポケット型WiFiなどルーター端末経由で各接続機器に割り振られます。
グローバルIPアドレスがあれば外部からWiMAX接続機器を特定可能
ここから本題です。「外部からIPアドレスを指定、WiMAXルーター端末や接続機器へのアクセスが必要」な方を対象に用意されたのがWiMAXのグローバルIPオプション。このオプションに加入するとWiMAXのルーター経由でグローバルIPアドレスが自動で割り当てられます。
では、なぜWiMAXのインターネット通信でグローバルIPアドレスが必要なのでしょうか?以下、グローバルIP(または固定IP)が必要なシーンやグローバルIPアドレスで実現できることを紹介します。
グローバルIPアドレス・固定IPアドレスが必要なケース
WEBサイトや動画の閲覧やファイルのダウンロードなど、通常のインターネット利用ではグローバルIPアドレスオプションの加入・申し込みは不要。ただ、次のようなインターネットサービスをWiMAXで利用するケースではグローバルIPアドレスオプションの申し込みが必要です。
自宅パソコンをWiMAXで常時接続、外部からリモートアクセスする場合
例えば、外出先から自宅のパソコンにあるファイルを参照したいというニーズを実現するリモートアクセス。このリモートアクセス機能を利用する場合はグローバルIPアドレスや固定IPが必須で、外部から自宅パソコンのIPアドレスを指定してアクセスします。
WiMAXのポケット型WiFi・ルーター端末を使用したリモートアクセスの場合の手順は以下が概要です。
- 自宅にWiMAXルーターを設置し、パソコンと常時接続
- WiMAXのグローバルIPオプションサービスを利用するように、ルーター端末の設定を変更
- ルーターの設定画面で割り振られたグローバルIPアドレスを確認
- 外出先からグローバルIPアドレスを指定して、自宅のパソコンにアクセス
ネットワークカメラを設置、自宅の様子を外出先から確認する場合
防犯目的やペットの状態を確認したいなどのニーズから増えている、自宅に設置するネットワークカメラ。このネットワークカメラに外部からアクセスする場合もグローバルIPアドレスが必要です。
パソコンへのリモートアクセスと同様、まずはカメラとWiMAXのルーターをWiFi接続し、グローバルIPアドレスを設定、このアドレスを指定して外部からアクセスするとカメラの映像を外出先でも確認できるという流れです。
一部のオンライン対戦型ゲームではグローバルIPアドレスが必要
任天堂のWiiUやDS、Nintendo Switchなどを使ったオンライン対戦型のゲームでは、WiMAXルーターを使用した通常の接続ではエラーとなり、オンライン対戦が一部できないケースも。この原因の1つに考えられるのがプライべートIPアドレスで、WiMAXのグローバルIPオプションを利用するとオンライン対戦が問題なくできたとの口コミ情報もあります。
オプション利用可能なWiMAXプロバイダと料金プラン、申し込み・設定方法
グローバルIPアドレスが必要なケースでは、WiMAXのオプションが必須。オプションを申し込む契約中のWiMAXプロバイダがどこでも、WiMAXのグローバルIPアドレスオプションの料金は月額105円(税込)で、日割り計算はなく設定開始月から料金が発生するプランです。
なおグローバルIPアドレスオプションの利用に事前申し込みは不要で、WiMAXルーター端末の設定変更後、すぐにグローバルIPアドレスを利用できます。
グローバルIPオプションサービスを利用できるWiMAXプロバイダ一覧
WiMAXプロバイダでは、WiMAX2+サービスを契約した場合に限り、グローバルIPアドレスオプションサービスの利用が可能。以下の主要WiMAXプロバイダでは、グローバルIPアドレスオプションに対応しているとWEBサイトで明記されています。
- UQ WiMAX
- Broad WiMAX(ブロードワイマックス) WiMAX2+
- GMOとくとくBB WiMAX2+
- BIGLOBE WiMAX 2+
- So-net モバイル WiMAX 2+ / +5G
- DTI WiMAX 2+
- @nifty WiMAX(ニフティ・ワイマックス)
契約プロバイダのオプション対応確認後に行うルーター側設定方法
契約中のWiMAXプロバイダがグローバルIPアドレスオプションに対応していれば事前契約や申し込みは不要で、グローバルIPアドレスを設定した通信を行った月のみ利用料金が請求される仕組み。
ルーター側の設定方法ですが、最初にWiMAXのルーター端末でグローバルIPアドレスを取得するための新たなプロファイルの作成が必要で、プロファイル作成はWiMAXルーターとWiFi接続したパソコンのWEBブラウザを使用、ルーターの設定画面にアクセスして行います。
接続先情報(APN)を含む新たなプロファイルの設定内容
ルーター設定画面で新たに作成するプロファイルは下記の通りです。設定後、WiMAXのルーター端末を使った通信を下記プロファイルを使って実行すると、グローバルIPアドレスオプションの利用が開始されます。
プロファイル名(任意) | Global |
---|---|
APN(接続先情報) | wx2.uqwimax.jp |
ユーザ名 | global@wx2.uqwimax.jp |
パスワード | 0000 (ゼロ4つ) |
認証タイプ | CHAP |
IPタイプ | IPv4 |
設定変更後に自分のグローバルIPアドレスを確認する方法
問題なくグローバルIPアドレスオプションの設定変更が完了したか、WiMAXのルーターにグローバルIPアドレスが問題なく割り当てられているかを確認する方法を紹介します。
WiMAXのポケット型WiFi・ルーター端末の設定内容を確認
プロファイル作成と同様の手順でWiMAXのポケット型WiFi・ルーター端末の設定画面にアクセス、接続情報の中で割り当てられたグローバルIPアドレスを確認します。Windowsパソコンでの場合はコントロールパネルの「ネットワークと共有」メニューでもIPアドレスを確認可能です。
次に外部から認識されるWiMAXルーター機器のIPアドレスを確認
例えば、こちらのサイトにでは、外部サーバー側で自分のIPアドレスがどう認識されるか分かります。表示されるIPアドレスと最初に確認したIPアドレスが一致すれば、問題なくグローバルIPアドレスで通信できている状態です。
グローバルIPアドレスの割り当ては動的で固定IPでない点に注意
WiMAXのグローバルIPオプション利用での注意点は、あくまでグローバルIPアドレスが利用可能なサービスで、固定IPアドレスとは違うこと。つまり割り当てられるグローバルIPアドレスはルーターの接続の度に変わる可能性があり、固定IPとの違いに注意が必要です。
グローバルIPアドレスは固定ではないため、「外部からリモートアクセスしようと思ったのに、前回と同じIPアドレスで接続できない」などの問題も起こり得ます。定期的にグローバルIPアドレスが変更されていないかの確認や、グローバルIPアドレスが変更されても問題ないよう自動で対応するサービス(ダイナミックDNS)の利用の検討も必要です。
以上、WiMAXとグローバルIPアドレスについて、IPアドレスの基本やグローバルIPオプションの利用方法を紹介しました。
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WiMAXのグローバルIPアドレスオプションについてよくある質問
最後にこのページの内容のまとめとして、WiMAXのグローバルIPアドレスオプションについてのよくある質問への回答を紹介します。
WiMAXのグローバルIPアドレスオプションとは?
WiMAXのグローバルIPアドレスオプションとは、WiMAXのルーター端末を利用したインターネット通信でグローバルIPアドレスを利用するのに必要なオプションで、どのプロバイダを契約中でも料金は一律で月額105円(税込)。グローバルIPアドレスが不要な場合は利用する必要はありません。
グローバルIPアドレスオプションの申し込み方法は?
グローバルIPアドレスオプションは申し込み不要で、利用方法はWiMAXルーター端末の設定を変更するだけ。ルーター端末の管理画面で新たなプロファイルを作成、必要なAPNの情報を登録するとグローバルIPアドレスを利用可能です。なお設定後からオプションサービス料金が発生します。
WiMAXで固定IPアドレスは利用できる?
WiMAXのグローバルIPアドレスオプションは、あくまでグローバルIPアドレスが利用可能なサービスで、固定IPアドレスとは違う点に注意が必要。グローバルIPアドレスの割り当ては変動するため、WiMAXのポケット型WiFi端末で固定IPを利用するには、ダイナミックDNSなど他のサービスの利用が必要です。