WiMAXを新規契約する際や現在WiMAXルーターを利用中の場合、クレードルの購入で、その必要性や用途に悩む場合も。「クレードル」という聞き慣れない商品、どんな製品か、購入すべきか、メリットや使い方が分かりにくいですよね。
このページではクレードルを使う必要性を判断するため、WiMAXのクレードルがどんな人に便利でおすすめか、実際の使い方やメリット、購入の場合の価格などを徹底解説、どこで購入がおすすめか?電波受信や通信速度は改善する?などの疑問に実測結果から回答します。
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クレードルが必要な人はWiMAX契約者の一部、不要な人が多い
先に結論を解説すると、クレードルの使用が必要な人はごく一部。多くのWiMAX契約者にクレードルは購入が必要な機器でなく不要な場合が多い製品。クレードルはACアダプタの代用でWiMAXルーターの充電に利用可能ですが、価格数千円の充電器をWiMAXの新規契約時に慌てて購入する必要も無く、特別な必要性やメリットを感じない限りクレードルの使用は不要です。
WiMAX契約時や利用開始後にクレードルの追加購入がおすすめの場合
WiMAXの新規契約時やWiMAXの利用開始後にクレードルが必要で、追加購入がおすすめの場合は、以下の通りです。
- 自宅に光回線など固定インターネット回線契約があるが、無線LANルーターがなく有線接続のみ。WiMAX端末を使って自宅をWi-Fiでインターネットできる環境に変えたい。
- 無線LAN、Wi-Fi接続できない古い機種のデスクトップパソコンや無線LAN非対応のノートPC端末があり、有線接続が必要。また、そのために固定インターネット回線を契約中。
- 出張先のホテル等で「有線LANしか使えない!」と残念な経験がある。
モバイルルーターは基本Wi-Fi、LANケーブルを使って有線接続できない
WiMAXのモバイルルーター端末は、基本的にWi-FiやBluetoothでパソコンやスマホなどの機器と無線接続、インターネット通信が可能ですが、LANケーブルの挿し込みポートは無いため有線接続はできません。パソコンとWiMAXルーター端末をLANケーブルの有線接続で使う場合はクレードルが必要です。
WiMAXの利用が主に自宅ならモバイルルーターよりホームルーター

ホームルーターWiMAX HOME 02
WiMAXの利用が自宅中心との理由でクレードルの追加購入を検討中の場合、WiMAXのルーター端末を持ち運び可能なモバイルルーターではなく据え置き型のホームルーター(HOME 02など)商品を利用したり、機種変更もおすすめ。
インターネット利用が主に自宅の場合、モバイルルーターとクレードルのセット購入よりも、最初からWiMAXのホームルーター端末を選ぶ方法もおすすめです。先に結論に近いことを説明しましたが、以下でWiMAXのクレードルの使い方・利用方法を詳しく解説します。
そもそもWiMAXのクレードルとは何のために使う機器?

「クレードル」とはWiMAXのルーター端末専用のスタンド型の機器を指し、携帯電話の卓上充電スタンドに近い見た目の機器。自宅に設置して利用する小さな機器ですが、各種便利機能もあり、使い方次第で自宅のインターネット環境が格段に充実するメリットも。
クレードルの最大の特徴は背面や側面にあるLANポート。このポートにLANケーブルを挿し込み有線接続するとWiMAXがさらに便利に。無線、どこでも持ち運べる点がWiMAXを使う魅力・メリットですが、クレードル購入で有線LANのインターネット通信にもWiMAXを利用できるのです。
WiMAXのルーター端末とクレードルをセット購入するメリット
クレードルの使い方やメリットには、背面や側面にあるLANポートを使用した
・WiMAXルーター端末と他のIT機器のLANケーブルによる有線接続
・有線LANの無線LAN(Wi-Fi)化
の2つがあります。
少し技術的な話ですが「すごい便利!」と必要性を感じられるWiMAX利用者の場合はクレードル購入がおすすめで、逆に「何のこと?」となる場合は購入不要と言えそう。以下、WiMAXのクレードルが必要なシーンやメリットを具体的に紹介します。
クレードルのポートにケーブル接続、WiMAXで有線インターネット
WiMAXのモバイルルーターとパソコンやスマホ、タブレットなどIT機器の接続はWi-FiやBluetoothなど無線接続が基本。一方、クレードルにWiMAX端末を設置、クレードル本体のLANポートとパソコンのLANポートをLANケーブルで有線接続する方法でも、パソコンなどの機器からWiMAXルーター端末経由でインターネットに接続可能です。
無線LAN(Wi-Fi)非対応のパソコンでもインターネット接続可能
自宅に古い機種のデスクトップパソコンやノートパソコンがあり、それらが無線LAN(Wi-Fi)に非対応の場合、WiMAXのルーター端末経由でインターネットに接続できませんが、クレードルを使うと通信可能なのがおすすめポイント。
「無線LAN非対応のIT機器があるため自宅は固定回線を契約中」の場合、WiMAXのクレードルを使う方法でこの問題を解消できます。固定回線の契約料金と比較して、価格数千円のクレードルの購入で固定回線の代用ができ、固定回線を解約できれば、使うメリットは大きいでしょう。
自宅のADSL・光などの固定回線の無線LAN・Wi-Fiルーターに
逆に、自宅で光回線などの固定回線を契約、それを利用してインターネット接続可能な場合、固定回線で使用中のLANケーブルをクレードルに挿すと、WiMAXを無線LANルーターとして、つまりWi-Fiのアクセスポイントとして利用する方法・使い方も可能です。
スマホやiPad等のタブレット端末とWiMAXルーターの接続方法は通常の利用と同じWi-FiやBluetooth接続ですが、WiMAXをクレードルに設置し、そこに固定回線のLANケーブルを有線接続すれば、インターネット通信をWiMAX回線ではなく固定回線経由にできるのです。
クレードルを使用、出張先ホテルの有線LANも快適なWi-Fi環境に
またクレードルを使用、出張先のホテル客室などで簡単に自分だけの無線LAN・Wi-Fi接続によるインターネット環境を作ることが可能。ホテル客室のLANケーブルをWiMAXのクレードルに接続、アクセスポイントにすれば、有線LANのインターネット回線を無線Wi-Fi化できます。
無線LANやWi-Fiが無いホテルでも、ベッドに寝転がってスマホでインターネット通信したり、ノートPCで仕事が可能。出張などが多い方にWiMAXのクレードルはおすすめツールの場合も。
その他のクレードルの利点~便利な充電スタンドとしての使い方
クレードル無しでもACアダプタを使ってWiMAXルーター端末の充電は可能ですがクレードルがあれば便利。WiMAXルーター端末をクレードルに置くだけで電池が充電され、ACアダプタを都度挿し込まなくてもルーターを充電しながら利用可能。充電切れの不安が減る点もおすすめのメリットです。
それ以外にもクレードルのような充電スタンドで見た目がすっきりし、「WiMAXルーターが見当たらない!」ことが起こりにくくなる点も、細かいですが追加購入のメリットです。
WX06などNEC機種限定!補助アンテナで電波受信や通信速度の性能改善

WiMAXルーター機種のうちWX06やWX05、WX04などNEC製端末を利用中の場合、専用クレードルの購入で電波受信や通信速度などの性能が改善される可能性も。これはWX06・WX05・WX04機種対応のクレードルに「Wウィングアンテナ」と呼ばれるWiMAX2+の補助アンテナが装備されているためで、ルーター端末をクレードルに設置・利用すると電波受信感度向上のメリットがあります。
ルーターを立たせるだけで受信感度が向上、通信安定化の効果も
クレードルが無ければ薄型のモバイルルーターを机の上などに寝かせて置いて使うため、WiMAX電波の受信感度が低下、電波が繋がりにくいもの。比較して、クレードルに設置して薄型ルーターを垂直に立たせて使う場合、360°全方位からWiMAXの電波を受信可能です。
それ以外、自宅の中で最もWiMAXの電波の入りやすい場所にクレードルを設置、そこにルーター設置を習慣付けることも電波受信・通信速度改善に繋がる1つの方法。自宅でWiMAX電波の受信に悩まれている方、かつWX06などNEC製機種のWiMAXルーターを利用中の場合はクレードルの追加購入もおすすめです。
クレードル有無による実測速度の違いや改善効果~WX05の場合
WiMAX比較ナビ編集部ではWiMAXのルーター端末WX05を使用、クレードルの有無でどの程度実測通信速度が変わるかを比較・検証しました。結果、電波の弱いエリアではクレードルにより実測通信速度の改善効果がありましたが、電波が強い環境では大きな違いはありませんでした。
WiMAXの電波が強いエリアでの速度測定と比較結果
WiMAXのピンポイントエリア判定で「◯」となる比較的電波の入りやすい場所で、クレードルの有無による通信速度の違いを測定・比較しました。ルーター端末のパフォーマンス設定ごとに各5回ずつ測定した実測速度の平均は下記比較表の通りで、クレードルによる通信速度改善効果はほぼありませんでした。
パフォーマンス設定 | クレードル有りのWiMAX実測速度 | クレードル無しのWiMAX実測速度 |
---|---|---|
ハイパフォーマンス | 平均10.53Mbps | 平均13.33Mbps |
ノーマル | 平均5.57Mbps | 平均6.67Mbps |
バッテリーセーブ(エコ) | 平均6.33Mbps | 平均5.6Mbps |
WiMAXの電波が不安定、圏外に近い場所での速度測定結果の比較
WiMAXのピンポイントエリア判定で「△」となる電波の不安定な場所でも同様の通信速度の違いを測定・比較しました。そもそも通信速度が遅いですがクレードルによる受信感度の向上、速度改善効果がありました。
パフォーマンス設定 | クレードル有りのWiMAX実測速度 | クレードル無しのWiMAX実測速度 |
---|---|---|
ハイパフォーマンス | 平均1.26Mbps | 平均0.79Mbps |
ノーマル | 平均1.53Mbps | 平均0.32Mbps |
バッテリーセーブ(エコ) | 平均0.76Mbps | 平均0.73Mbps |
ルーターの利用場所でクレードル使用の効果に違いがありそうですが、WiMAXの電波が弱い受信環境の場合、クレードルによる通信速度向上の効果があるというのが当サイトの比較結果です。
他のクレードル利用者による口コミでの評価・評判
他のWiMAX利用者でクレードルを使用中の方の口コミを確認すると、特に最新機種WX06を利用中の方から「自宅内で接続が安定する」「通信速度も十分」など良い評価・評判が多い様子。WiMAXのルーター最新機種WX06ではクレードルの性能も向上、クレードル有無による通信速度の差も大きいように思われます。
WiMAXの新型モバイルWi-Fiルーター:WX06が届いたので速度テストをしてみました。
WX05 WX06
1回目 11Mbps 19Mbps
2回目 18Mbps 28Mbps
3回目 13Mbps 26Mbps
4回目 19Mbps 19Mbps
5回目 12Mbps 36Mbps※https://t.co/iwUg3AYvf3を利用。いずれも専用クレードル使用。 pic.twitter.com/uKXAJ9XXGX
— 近藤 顕彦【 ⋈ 】ミクさん大好き (@akihikokondosk) February 1, 2020
WiMAXの最新機種W06(ファーウェイ製)は専用クレードルが無い
NEC製最新機種WX06やWX05のクレードルは高性能ですが、WiMAXのおすすめルーターの1つ、ファーウェイ(Huawei製)のモバイルルーター最新機種W06には、専用クレードルが無く、LANケーブルでの有線接続はできません。
WiMAXの最新機種WX06やWX05の下り最大速度440Mbps対応と比較して、W06は下り最大速度867Mbps(USBケーブル有線接続時は下り最大1.2Gbps)、上り最大速度75MbpsのWiMAX史上最速機種の点がおすすめ理由の端末ですが、クレードルがなくLANケーブルでの有線接続はできない点がデメリットです。
Huawei製クレードルには電波受信感度向上の補助アンテナが無い
もともとW06機種以前のHuawei製ルーターのクレードル製品には、NEC製のWX06やWX05のクレードルにある「Wウィングアンテナ」のような補助アンテナが無く、室内などでWiMAX電波の受信感度向上効果を期待できません。このためWiMAXのHuawei製ルーターを使用中の場合、クレードル購入の必要性は低く、おすすめではありませんでした。
クレードルなしでもUSBケーブルでPCとの有線接続は可能
ただしWiMAXのHuawei製ルーター最新機種W06の場合は、クレードルなしでも端末本体とノートPCなどの機器を「USB3.0 Type-Cケーブル」で有線接続して使用が可能です。WiMAXルーター最新機種W06の利用の場合はクレードルではなく「USB3.0 Type-Cケーブル」の購入がおすすめで、WiMAX史上最高速度のインターネット通信を安定して利用できます。